現代詩
【連載 - 37】国立ランブリング
王様のガレット 小山伸二
王様のガレット
仲間と囲んで
順番に選んでいくぼくたち
つぶらな瞳の小犬たちも
じっと見守っている
美味しいチーズとパン
ワインと生ハム
サラダとおしゃべりと
新しい年の
はじめての笑い声が広がる
しあわせな食卓
ぼくはうっとりしている
やさしい仲間と
こういうひとときも
いいもんだよね
さあ、ぼくの順番だ
えいやっとひと切れを指差すと
かわいい苺のフェーブが
アーモンドクリームに埋まってた
ぼくが王冠をゲットしたんだ
新しい年の最初のひととき
しめくくりのコーヒー
小犬を抱きしめる
神社の参道を歩いて帰ると
月がどろんとまどろんでいたよ
この町にも新しい年がやって来て
居なくなったひとも
まだ暮しているぼくたちにも
新しい年の新しいいちにちが
こうして始まるんだね
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◎国立ランブリング「創作ノオト」
そしてまた、新しい年がこの町にもやって来て。
異国の風習のなかでも、この国の正月はおだやかに流れています。
連載も4年目を迎えました。
どうぞ、これからもよろしくお願いします。
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【プロフィール】
小山伸二 (おやま・しんじ)
国立在住。詩人。福間塾に参加。
『きみの砦から世界は』(思潮社・刊) 、
書肆梓・復刊シリーズ
@『ぼくたちはどうして哲学するのだろうか』、
A『雲の時代』(書肆梓・刊)
『きみの砦から世界は』
(思潮社)
作品集
クラウドナイン cloud nine
小山伸二と清水美穂子による詩と写真のコラボユニット。
「クラウドナイン」公式FBページ
https://www.facebook.com/cloudnine.sm
国立情報WEBマガジン くにたちハッピースポット
http://kunitachi.happyspot.jp/
https://www.facebook.com/kunitachi.happy.spot
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