| ・くにたち本まわり 十松弘樹
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【連載】国立本まわり〈2〉山口瞳『行きつけの店』後編 十松弘樹
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【連載】国立本まわり〈2〉山口瞳『行きつけの店』(新潮文庫)・前編
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【新連載】くにたち本まわり@ 『居酒屋兆治』を歩く
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2014年07月02日(水)
【連載】国立本まわり〈2〉山口瞳『行きつけの店』(新潮文庫)・前編
[・くにたち本まわり 十松弘樹]
【連載】くにたち本まわりA
山口瞳『行きつけの店』(新潮文庫) ・前編 十松弘樹
国立の本と町を巡る雑談。
山口瞳先生
(1926〜1995)の話を続けさせていただこう。
山口氏は「
行きつけの店
」と粋な付き合いをすることでも知られていた。
決して威張らず、かといって馴れ合わず、
絶妙の距離感と礼節を持ってお店と付き合う人だったという。
『行きつけの店』(TBSブリタニカ)
その集大成とも言えるのが『
行きつけの店
』。
亡くなる2年前に出版された。
旅好きでもあった山口氏らしく
日本中の行きつけの店が紹介されている。
国立からも、前回紹介した
『居酒屋兆治』のモデルである
今は無い「
文蔵
」と
国立きっての老舗喫茶店として健在の
「
ロージナ茶房
」が紹介されている。
併せて「
繁寿司
」「
まっちゃん
」「
うなちゃん
」なども。
国立きっての老舗喫茶店「ロージナ茶房」。
山口氏の水彩画「ボラボラ島」を展示している。
家族ぐるみの付き合いだった「繁寿司」。
全国から訪れる山口ファンの「聖地」ともなっている。
ガード際の「うなちゃん」。「曳家」でも話題になった。
これを読むと味とともに店主の人柄に惚れて
「行きつけ」としていたことがよくわかる。
「食通」であるとともに「人通」であった山口氏らしい本だ。
なんとこの本、TV化もされた。
ドキュメンタリーながらドラマ仕立ての部分もあり
主演は山口氏本人。
もちろん演技をするわけではなくただ町に店に佇み
「“小説家”は○○と考えた・・・・」
みたいなナレーションが入る。
語りは故・古今亭志ん朝師。
エンディングは「文蔵」で楽しそうに語り合う山口夫妻。
そのうしろで賑やかに談笑する酔客の中に
ノンクレジットで嵐山光三郎氏。
なんて贅沢。
もう一度観たいと思うが、
残念ながらパッケージソフト化はされていない。はず。
この本に紹介された
「文蔵」「ロージナ」「繁寿司」「まっちゃん」「うなちゃん」の他にも
山口氏の「行きつけの店」は国立に数多く残る。
ライフワークエッセイ「男性自身シリース」等に
たびたび採りあげられた
「
喫茶・書簡集
」「
そば芳
」「
うなぎの押田
」等も健在。
山口氏の息吹を今に伝えている。
富士見通りの「書簡集」。カレーも人気。
ブランコ通りの「そば芳」。
山口邸からもっとも至近の“行きつけ”「うなぎ押田」。
山口先生命名の個室の「寒庵(さむあん)」が人気。
「寒庵(さむあん)」はもちろん「someone」。
デビュー作「江分利満」=「everyman」と対語を成す洒落だ。
後編
につづく
≪バックナンバー≫
2014.5.25
くにたち本まわり@ 『居酒屋兆治』を歩く
【著者紹介】
十松弘樹
==とまつひろき。
JPIC認定読書アドバイザー。
「書評のメルマガ」書評委員。
出版取次大手トーハンに勤続すること29年。
「新刊ニュース」「月刊書店経営」編集担当、
「人文図書目録」「歴史書目録」「国語国文学図書目録」等
各目録刊行会事務局担当などを経て独立。
国立駅前で「
ギャラリービブリオ
」
http://www.gbiblio.jp/
を経営。
学校法人小百合学園(小百合幼稚園)評議員。
国立駅前在住三代目。
今年11年目、毎日更新のブログ
「蕃茄庵日録」
http://d.hatena.ne.jp/banka-an/
は国立の老舗ブログのひとつ
国立情報WEBマガジン くにたちハッピースポット
http://happyspot.jp/
くにたちハッピーマーケット2014夏市
[ameblo]
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