【中央線半径1キロゴトゴト日記 第5回】

『都内の憂鬱と快感はどこの駅から始まるのか問題』

中央線ハッピースポットには弱点がある。
それは何か。
ひがしがわに弱いという弱点である。
それはなぜか。

そもそも中央線ハッピースポットは国立ハッピースポットから派生しているので、読者が多摩地域に集中している。
私なんかは国立ハッピースポットに書きたくて書きたくて書きたくて書きたくて四回つぶやいて俺に国立を書かせろ〜！と悶えていた。
そうしていたら中央線ハッピースポットのブロガー募集を知り、ううっ、いくらなんでも広すぎだ広すぎだ広すぎだ〜と三回つぶやいて寝床に入った。
そして朝になり、中央線でもいいから書きたい書きたいと二回つぶやいて顔を洗った。
そして、ハタと気がついた！
中央線ハッピースポットで国立を書けばいいやん！
フフフフ、これで
「旭通りと富士見通りどっちが偉いか問題」
に決着つけてやるぜ、待ってろよ。と、また顔をバシャバシャ洗った。

さて、今回は旭通りと富士見通りどっちが偉いかの話ではない。
中央線ハピスポの弱点の話である。

それで、読者が多摩地域に集中しているのでひがしがわのハッピースポットを書いてもなかなか共感しにくい。
なにしろ23区を都内と呼ぶ世界でる。
多摩は都下とか呼ばれるのである。
なんとなく東の讀賣ジャイアンツに敵対心を持つ西の阪神タイガースファンの心理だね。
よくわかる。何を隠そう私は子どもの頃から大のアンチ巨人で強くて偉そうなものが大嫌いだった。好きなチームは阪神タイガースと南海ホークスだった。



なので、このゴトゴト日記も高尾から出発してひとつづつ駅を上っていき、西荻窪で最終回。
中野までいけたら自分を褒めてあげたいと思っていた。

まあ、吉祥寺まではいい。吉祥寺は完全に多摩のテリトリーである。
しかし、西荻窪あたりからアウエーの憂鬱と快感が背中をゾクゾクとさせる。

いや、西荻窪はまだなんとかいける。西が付いているし、吉祥寺の隣駅という安心感もある。強引に多摩側に引き込めばできないこともないように思える。
舛添都知事があんな調子だから混乱している今がチャンスと言えなくもない。

しかし、荻窪はいけない。何がいけないかというとここからは東京メトロと呼ばれる地下組織の香りがしてくる。しかもその名も丸ノ内線である。国会議事堂前と霞が関まで行ってしまうのである。
そう、中央線ひがしがわの快感と憂鬱の始まりは荻窪駅からスタートするのだ。



ちなみに、三鷹の東西線だって地下組織のグループではないかと反論があるかもしれない。
しかし、それはまたいずれ。
「メトロ東西線の始発は三鷹なのか中野なのか問題」
で考察したい。

さて、ひがしがわとにしがわである。
嫉妬と羨望である。
キラキラとドテドテである。
アンタッチャブルとタッチャブルである。
混んでる時は押さないでホームから落ちちゃうよひとつしかホームがないんだからの日野駅と、いったい何番線まであるんじゃ東京駅である。
これが中央線である。



ついこのあいだまで、荻窪からひがしがわをゴトゴト日記で考察する気は全くなかった。
しかし、先日たまたま東京駅八重洲付近で山王祭の神輿に遭遇し、
「高尾駅の天狗から始まって東京駅のグランルーフ、八重洲、丸の内。これが中央線の魅力なんだよな〜。東側も書きたいな、書けるかな、書けないよな〜」
とホームで三回呟き、下り高尾行き1番線の始発に乗ったのである。

1番線ですぜあなた。




書いているひと
千野龍也
《立川生まれの立川育ち。育ちっていうか、ただのおっさん。
引越し先は→国立→調布→国分寺→立川という生粋の多摩人。
っていうかただの視野の狭い人》

≪バックナンバー≫
【中央線半径1キロゴトゴト日記】 千野龍也

第４回　【日野】鯛焼屋は駅ナカか駅ソトか、そして日野は本当に意外と遊べるのか問題

第３回【西八王子】中央線半径1キロゴトゴト日記3 西八王子を謎のままにしていて後悔しないか問題

第２回「高尾山に登るにはどこの駅からスタートするのが美しいのか問題」

第1回「さて何を書くか問題」


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