「中央線、本と本屋の旅」(1) どむか
「止まり出したら走らない」
【東京】
「恐るべき新人作家、中央線に乗車。
東京駅から高尾駅まで、彼らを乗せて中央線が行く」
という帯の文字に惹かれて購入。
「止まり出したら走らない」(品川遊著、リトルモア刊)
は、
中央線で東京から高尾に向かう物語に、
さまざまな人々の個人的な物語が交差する。
物語が始まる、その待ち合わせ場所が
東京駅の「銀の鈴」なので、
見出しは「東京」にすることにしよう。
主人公の所属する自然科学部の
月に一度の課外活動の待ち合わせ時間が誤って伝えられ、
先輩だけが残って主人公を待つ。
行き先は高尾山であることを告げられ、頭の中が???、
「時間を間違えたことを私には知らせず、なぜ先輩にだけ伝えたのか?」
と思いながらも、高尾に先輩と向かう。
休日なので、阿佐ヶ谷、西荻窪には止まらないが、
停車駅単位で物語は進んでいく。
その駅にリンクしているようなしていないような感じで、
全く関係のない個人の物語が交差はするのだが、
読み進むにつけて全く関係ないのではないのかも、
という思いも湧き浮かんでくる。
高尾駅を降り、高尾山に登る辺りで、話の辻褄が合ってくるのだが…
文字は2色で印刷、error403のイラストも文字のテンポに合っている。
というのが読後感だが、
本を手にしたのは帯の文字に惹かれたのではあるが、
購入を決断した大きな要因は「おまけ」。
大したものではないのだが、中央線沿線で購入すると
「中央線沿線限定配布」のシールが付いてくるのである。
「中央線」「限定」「非売品」という文字に、どうも弱いのだ。
版元の策略に、喜んで引っ掛かろうではないか!
どむか
(本屋さんウォッチャー)
中央線沿線在住
小・中・高校まで中央線沿線の学校に通う。
勤務先も、中央線沿線と言えなくもない。
本を読むより本屋さんに行くのが好き。
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