「集中する」と言うと
一つのことに一心不乱にのめり込むことだ
と思っている人が少なくありません
たとえば
オリンピックのような大会で
自分の力を最大限に発揮したいのなら
そういった「高度な集中」を
する必要があるでしょう
でも
ふつうに生きている人にとって
大事な「集中力」は
そんなことではない
と私は思っています
本を読んだり
問題を解いたりするのに
それほど高度な集中は
いらないからです
デコボコ道を歩くことは
それほど簡単なことではありません
どんな道でも階段でも
それなりに歩けるロボットも
まだできていないくらいに
歩くことはむずかしいのです
ところが
特に大きな障害がなければ
生きている人間にとって
デコボコ道を歩くことは
むずかしいことではありません
信号があろうが
段差があろうが
周りの様子に気を配って
車にぶつからないように
ものすごい量の情報処理をして
歩きながらでも
憲法改正のあり方や
今晩の献立を考えたり
できてしまいます
本を読んだり
問題を解いたりすることは
そのくらいの集中でちょうどいい
と私は考えているので
まなびばの課題に取り組むときでも
世界陸上に出るウサイン・ボルトのような
高度な集中力は求めません
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