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私のこと


「同胞」という映画をご存知ですか?

核分裂はダメだと高校生で知りました

幼児的万能感は誰にでもありますが…








2013年04月15日(月)
幼児的万能感は誰にでもありますが…

[私のこと]
応神天皇陵

photo by KENPEI     

私にとって
最初の先生は
ほかでもない父でした


小学校2年のときのことでした

家の近くに
日本で二番目に大きな前方後円墳である
応神天皇陵がありました

宮内庁の管轄で
鉄条網で囲われていました

入ってはいけないといわれると
入りたくなるのが子どもです

友だちと私の3人は
鉄条網を超えてあれこれと探検していると
お堀にボートが浮かんでいるのを発見しました

ちゃんとオールもついています

これは乗らない手はないと
お堀のまん中あたりまで進むと
宮内庁のお役人に見つかってしまいました


当然のことですが
詰所で2時間たっぷりしぼられました

体罰ではありません

延々とお説教されたので
解放された頃は外は真っ暗でした


疲れ切って家に帰ると
連絡もなしに帰ってこない息子を
心配していた母からも
ものすごい雷を落とされました

ところが生意気で
幼児的万能感がいっぱいの私は

「宮内庁のおっさんに絞られたんで
 疲れきっているから
 今日は勘弁してくれ!」

と言い放ち
母を唖然とさせたのです


翌日学校で
私たち3人は
校長室に呼び出されました

他の2人はうなだれて反省の呈ですが
私は母をあきれさせた経験があるので

「校長先生
 ぼくがやったことは悪いことですが
 昨日すでに宮内庁のお役人に叱られて
 その罰は済んでいると思っています

 そもそも校長先生と応神天皇さんとは
 何の関係もないので
 今日あらためて校長先生に謝る意味が
 ぼくにはさっぱりわかりません」

と言ってのけたのです

その日のうちに
母が呼び出されたことは言うまでもありません


その夜
仕事から帰ってきた父に
母がことの顛末を報告すると
父は

「まぁ一応お前の言っていることは
 筋が通っているので
 改めて怒りはせん

 でも世の中をわたっていく上では
 悪くなくても頭を下げておいた方がエエこともあるぞ

 頭下げるのはただやしな」

といったようなことを言って
お咎めなしでした


このやり取りで
この父のように生きたいものだ
と改めて尊敬しなおした私なのでした




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