| 私の科学と哲学
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「偉い先生が言っているから」は信じる理由にはならない
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2012年10月05日(金)
タバコを吸わないと肺ガンで死にやすい?
[私の科学と哲学]
武田邦彦さん(中部大学教授)が
「タバコを吸わないと肺ガンになる」といったことを
ブログに書かれていました
元記事はこちら ⇒
「科学者テスト」
一通り読むともっともらしく
納得してしまいそうなのですが
結論が明らかにヘンなので
生データを探してみました
喫煙率 ⇒
厚生省のたばこ最新情報
肺ガン死亡率 ⇒
図録▽ガンの部位別死亡率
二つの変化はほぼ直線的なので
簡単な表を作ってみました
男性の喫煙率と肺ガンによる死亡率の変化です
年 |
1965(昭40) |
2010(平22) |
単位 |
喫煙率 |
82.3 |
38.8 |
% |
肺ガンの死亡率 |
11 |
82 |
人/10万人 |
おおざっぱに言えば
この45年の間に男性の喫煙率は半分以下になって
肺ガンの死亡率は7倍以上に増えたということです
この表を素直に見れば
タバコを吸い始めてから肺ガンになるまで
数十年がかかることを考えに入れても
喫煙率が減ると肺がんで死ぬ人が増える
と言えそうな気がします
そこで私が考えたのは
「もし喫煙と肺ガンの関係がなかったら」
という仮説です
すると
タバコを吸っていて肺ガンで死んだ人の割合
は
(肺ガンの死亡率)×(喫煙率)
で近似できると考えてもいいでしょう
おおざっぱに計算すると
タバコを吸っていて肺ガンで死んだ人は
1965年には10万人中に9人くらいいて
2010年には10万人中に32人くらいになったので
3倍以上に増えたと考えられます
またタバコを吸わないで肺ガンで死んだ人は
1965年には10万人中に2人くらいいて
2010年には10万人中に50人くらいになったので
25倍も増えた
ということです
だとすれば
この45年間に肺ガンで死んだ人が増えたのには
タバコ以外のなんらかの原因がある
ということになります
考えられるのは
大気汚染とか
広島・長崎の原爆とか
爆発する前の原発からもれた放射能?
もちろんその原因は
このデータからはわかりません
それと同じくらいに
タバコと肺ガンの関係についても
何もいえないのではないか?
したがって
肺ガンで死にたくなければ
タバコを吸わない方がいい
とは言えそうにありません
肺ガンの増加の原因はタバコ以外にあり
しかも7倍以上も増えているのですから
肺がん死を減らしたければ
タバコ以外の原因を探すべきでしょう
私の計算結果と考え方を
武田さんにメールで送ったら
すぐに返事のメールが返ってきて
別の記事を書かれていました
新しい記事は ⇒
科学者テスト(その2)
何を言われても
結論を一切変えようとはしない
政治家や評論家に比べて
武田さんはなかなか潔いと
感心してしまいました
私も武田さんに負けずに
柔軟に考えられる人でい続けたい
そう思わされたのです
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